第108回ツール・ド・フランスにおいてUAEチームエミレーツのタデイ・ポガチャル選手が見事二連覇を達成した。しかも昨年に続き総合優勝(マイヨジョーヌ)に加え、山岳賞(マイヨアポワ)、新人賞(マイヨブラン)の三賞も連覇という偉業であった。

2021年6月26日に開幕したレースは序盤から波乱含みで、大規模な落車の連続で多くのライバルが去っていった。

その中でポガチャル選手は冷静に、そしてクレバーにレースを進める。まず第5ステージのTTを圧勝しライバルを大きく引き離すと、第8ステージでは一級山岳ロム峠でアタックしメイン集団から抜け出し、アウターリングを踏みながら凄まじい勢いで駆け上がった。他を圧倒する走りはそれを見た多くの人の脳裏に鮮明に焼き付いただろう。
同ステージでは優勝こそ逃したものの、ライバルから3分以上のアドバンテージを取り、早くもマイヨジョーヌを獲得。

第11ステージのモンヴァントゥなど、見応えのあるステージが続く中で、ポガチャルは安定した走りをみせジャージを守り続けた。

そしてフランス革命の日にあたった第17ステージは、後半60kmに3つの難関山岳が組み込まれ、今大会最も厳しいステージと呼ばれたピレネー決戦。ポガチャル選手はラスト8km地点からアタックを仕掛け、ヨナス・ヴィンゲゴー選手(ユンボ・ヴィスマ)とリチャル・カラパス選手(イネオス・グレナディアーズ)とのせめぎ合いはハイライトの一つとなった。レース後半、そこまで貯めていたパワーを解放し、残り100 mで猛然とスプリントをかけライバル2人を突き放しフィニッシュゲートを突き抜ける圧巻の走りをみせた。

2021年のコルナゴの機材供給体制は、全選手V3-RSに統一。そしてV3-RSは一昨年の登場以来、数々のワールドツアーレースで勝利を量産している。またこの年のツールの山岳ステージなどではポガチャル選手がリムブレーキのフレームを選択し、記録的な活躍を見せた。これはバイクの特性を見事に活かした好事例となった。

ポガチャル選手は、まだ22歳という若さで連覇達成を果たし、既に王者の風格をまとっている。しかし、チームの登録選手である8名全員が最終ステージまで完走したことはチーム力アップの証明であり、UAEチームエミレーツとしても、今後更なる活躍に期待がかかっている。

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